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そのプロダクトがどういう視点で作られているのか。それを知るには作った人に聞くのが一番、ということで、後半ではVANQUISHのシューズ開発者への直撃取材の模様をお届けしよう。ファッションブランドでの靴作りならではの苦労や葛藤がそこにはあった。
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重信雄三
Yuzo Shigenobu
(株)せーの 企画・生産部マネージャー(株)ジュンが展開するブランド、JUNMENの企画部を経て、2006年春に(株)せーの入社。現在は企画・生産部マネージャーとして、ドレスシューズやブーツ、スニーカーなど、シューズ全般の企画開発に携わっている。 |
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芥川:早速ですが、どんな立場でVANQUISHに携わっているのか、簡単に教えて頂けますか?
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重信:はい。基本的にはVANQUISHのほぼすべてのシューズを、僕が企画開発しています。
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芥川:もともとシューズ作りが専門なんですか?
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重信:そういうわけじゃないんですけど、以前JUNMENというところにいまして、そこで様々な服飾小物系の企画をやっているうちに、シューズがメインになりました。
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芥川:もともとシューズ専業メーカーじゃないところが、本格的なスニーカーを作ろうとすると、色々と大変ですよね。一番苦労したのはどんな点ですか?
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重信:やはり工場ですね。最初は中国で作っていたんですが、品質がなかなか良くならない上に、最低注文数が多くて大変でした。ブランドとしてはベーシックなデザインのスニーカーを求めていたので、バルカナイズソールのシューズを作りたかったんですが、とても数量とコストが合わなかったんです。
それがタイに良い工場を見つけたことで、道が開けました。クオリティも断然良くなったし、比較的少ない数量でも発注することが出来たんです。ここにあるシューズはすべて2007年以降発売したモデルで、タイで生産したものです。
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芥川:タイは良いシューズ工場があるみたいですね。最近ではナイキもMade in Thailandをよく見るようになりました。
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重信:その工場でもメジャーなブランドのシューズを多く手がけていますね。それだけ技術力のある工場と言えると思います。
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芥川:履き心地なんかも、ファッションブランドのスニーカーとしてはかなり良いと思うんですが、何か工夫をしているんですか?
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VANQUISHシューズを製造するタイの工場。熱でゴムを固めて接着するバルカナイズ製法には欠かせない、加硫窯にシューズが入れられようとしている。
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重信:ブランドとしてはそのシーズンに打ち出したいテーマがあって、洋服のスタイルが先に決まります。そしてそれに合うシューズを開発するわけですが、あくまで洋服ありきですから、外観はシンプルな方がいい。そうすると機能を持たせるとしても、内部に限られてしまうんです。具体的にはインソールをなるべく厚いものにするなどして、極力快適性を損わないようにしています。
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芥川:洋服ありきということですが、2007年頃のシューズは先の尖ったスタイルが多いのに比べて、最近のは普通の丸いトゥが主体ですよね。これもやはり洋服との関連ですか?
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重信:そうです。僕はパンツの担当者とよく打ち合わせをするんですが、パンツのシルエットとシューズの形状の関係は特に重要です。2007年頃はブーツカットやフレアパンツが多かったので、それに合わせて尖ったシューズを多く提案しました。でもその後はスキニーやストレートに以降していったので、それに合わせてシューズも丸い形状のものが増えました。
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芥川:VANQUISHというと、こういった尖ったシューズのイメージが強い人もいまだに多いと思うんですよね。プレーンなスニーカーを発売した時の反響とかって、実際どうでしたか?
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重信:正直最初はあまりウケなかったですよ(笑)でも徐々に市場の流れもそうなっていきました。今年になってからは、VANQUISHでは尖ったシューズは一つも出していません。ただ個人的にはこの尖ったスタイルはVANQUISHらしいと思うので、定番として定着させたいなと思っているんです。
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芥川:確かにプレーンなスタイルに比べて、尖っている方がVANQUISHらしいという感じはありますね。’60年代にBFグッドリッチがこういった形状のデッキシューズを販売していたこともあるし、トンガリスニーカーの歴史は意外と古いですから、定番化する可能性はありそうです。
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重信:ウチならではのスタイルを確立出来れば、いずれシューズだけのブランドを作ってみても面白いんじゃないかと思うんです。一つのシューズブランドとして、靴屋さんにも並ぶような。
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芥川:それは面白いですね。ファッションブランドからシューズブランドが生まれた例って無いんじゃないでしょうか。その逆はありますけどね。今後の展開に期待しています。
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重信:ありがとうございます。
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芥川貴之志
Takatoshi Akutagawa aka AKU
ファッションディレクター
Footcornermag.編集長1990年代よりスニーカーコレクションを始め、エディター、スタイリストとして活動する傍ら、スニーカーメーカー各社のプロジェクトに参画。「Foot Corner」のプロデューサーであり、当Webマガジンの編集長も務める。 |
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2007SSに登場したこのモデルは、VANQUISHらしいスタイルをもっとも具現化していたスニーカーと言えるだろう。現在は絶版だがいずれ復活の可能性も?
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VANQUISHスニーカーの最新作が、ディズニーとのコラボレーションモデル。共通の総柄テキスタイルで、白ソール、黒ソールの2種類がリリースされた。
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