|
|
|
プロフィール : 芥川貴之志
Takatoshi Akutagawa aka AKU
ファッションディレクター Footcornermag.編集長1990年代よりスニーカーコレクションを始め、エディター、スタイリストとして活動する傍ら、スニーカーメーカー各社のプロジェクトに参画。カラー提案やオリジナルデザインモデルの発表を行う一方、2005年には自身のコレクションを元に編纂した書籍「Blueribbons」を出版。今回の撮影では10年以上前に購入したというオリジナルSL-76を着用。 |
|
|
|
米ランナーズワールド誌は、年1回全メーカーのスニーカーをテストして、そのランキングを発表する事で有名だった。写真は1975年10月号で、SL72/76が見事1位に輝いた。
|
|
|
|
年代によっても異なるが、アウトソールには「メッツラー」や「コンチネンタル」といったタイヤメーカーのロゴが刻印されている。これはオリジナルだけの特徴だが、同じオリジナルでも最初期型と最後期型は刻印が無い。
|
|
|
|
オリジナルSL72/76のシュータンには「Made In West Germany」とプリントされている。写真はSL76。SL72の方は残念ながら擦れて読めない状態になっていた。ただし最初期型だと無地のシュータンで生産国表記も無い。
|
|
|
|
SL72/76には1970年代初頭のモデルとしては珍しい足首を保護するアンクルパッドが付いていた。写真のSL76は初期なので無地だが、SL72の方は74年頃より後に生産されたもので、ブランドロゴがプリントされている。
|
|
|
|
こちらは番外編。著者秘蔵のオリジナルSL76のデッドストック(=新品)だが、カラーリングが大変珍しく、通常市販されていたものとは異なる。恐らくサンプルか、プロモーション用の特注品と思われるが、詳細は不明。
|
|
|
|
|
 |
|
前号で紹介したナイキ・ブレーザースエードもそうだったが、エイジング加工を施した“リアルヴィンテージ”なシューズに、注目が集まっている。そしてついに、アディダスまでもがヴィンテージ加工を開始。1970年代の名作SL72をリリースしたが、それではSL72とはどんなモデルなのか?今回もオリジナルから見てみよう。
?
オリジナルのSL72が発売されたのは1970年。今から約40年も前のことだ。その頃はまだナイキというメーカーも無く、アディダスは世界ナンバー1のスニーカーカンパニーだった。SL72は王者アディダスと呼ばれた時代を代表するトレーニングシューズと言えるだろう。
?
SL72がフラッグシップモデルだったことの一つの証拠として、その生産国が挙げられる。アディダスはご存知の通りヨーロッパはドイツのメーカーだが、かつてこの国は第2次大戦後の戦勝国による分割統治によって、東西2つのドイツに分かれていた。 アディダスは西ドイツ領のバイエルン州ニュルンベルグにあったから、SL72を発売した当時は西ドイツのメーカーだったわけだが、すべての生産を西ドイツで行っていたわけではない。一部のハイエンドモデルや選手用モデルの生産だけが西ドイツで行われ、その他のモデルは低いコストで生産出来る諸外国に振り分けられていたのだ。
?
しかしSL72はそのすべてが西ドイツで生産された。だからオリジナルのSL72には、必ず「Made in West Germany」と記されており(実際には擦れて読めない場合が多いが……)、これこそがSL72がハイエンドモデルだった証拠なのである。
?
|
|
SL72とほとんどのディテールを共有する
兄弟モデルSL76が存在していた
?
シューレースを通すDリングとカラーリング以外、同じ生産年であればまったく同じ作りのSL72と76は、兄弟モデルとして同時に発表された。今回SL76は著者私物を撮影に持ち込んだが、SL72は所有していないので、神奈川県の日吉にあるショップ「グリーン・グース」さんに貸して頂いた。
?
SL72にはSL76という兄弟モデルもあった。SLとは超軽量(Super Licht)の略であり、72、76という数字はオリンピックの開催年を表わす。つまり1972年はミュンヘン五輪、1976年はモントリオール五輪という事になるが、そこに特別な意味はなく単なるイメージ付けのようだ。SL72/76はあくまでトレーニングシューズであり、特定の競技に使用するためのモデルではない。またSLシリーズは後に80、84、88等も発売されるが、それらはまったく別のモデルとなっている。
?
兄弟モデルだけあって、SL72と76の作りはほとんど同じ。僅かにシューレースを通す穴がDリングになっているかどうか、が機能的な違いだった。このリングは素早い調整を可能にするためのものだが、反面、微調整はしづらいので、好みに応じて選べるよう2種類が用意されていたと考えられる。
?
1960年代までのスニーカーはほとんどが革製だったから、ナイロンアッパーを採用した“超軽量”のSL72/76は、当時としてはかなり斬新なモデルだったと言えるだろう。さらに両者は、タイヤメーカーと共同開発した高性能なソールや、足首を保護するアンクルパッドといった最新のディテールを備えていた。
?
今となってはシンプルなクラッシックシューズといった感じに写るSL72も、1970年代初頭の感覚では超ハイテクシューズと言うべきものだったわけ。そんなモデルだから、もちろんアディダスのラインナップの中ではフラッグシップとして位置付けられていたし、細部に改良を加えながら、1978年頃まで販売されたロングセラーモデルでもあった。
|
? |
 |
|
アディダス SL76 オリジナル(私物)、
アディダスSL72オリジナル
¥16590(問・GREEN GOOSE/045-560-3338) |
|
|
|
|
|
|