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ボルトというブランド自体の概要については、前頁で書いた通りだけれど、実はその流通経路も普通のバンズとはちょっと違う。そこで日本におけるボルトのキーマンである、ブルーウッドの青木さんに登場して頂いて、日本でのボルトの展開がどのようになっているのか、直接聞いてみることにしよう。

売り上げよりも、イメージが大切なんです

—まず普通のバンズとボルトの流通経路がどの様に違うのか、説明して頂けますか?

「バンズのインラインモデルについては、特に販売店の制限はありません。スポーツ屋さんでも、洋服屋さんでも扱うことが出来ます。しかしボルトはファッションシーンを強く意識していますので、あくまで洋服店のみで販売するというのが、本社の方針です。日本ではABCマートさんがバンズの総代理店となっていますので、インラインモデルについてはABCマートでの販売となりますが、ボルトだけは違います。日本でも例外なく、ボルトはセレクトショップを中心とした、洋服店のみで販売されることになっています。」

—-取扱店の数はどれくらいあるんですか?

「実は今年から取扱店の数を絞るよう、本社から要望がありまして、だいぶ減らしたんです。その結果、現在日本国内で約60店舗ですが、それでも世界的に見るとかなり多い方なんです。アメリカなどでは、もともとセレクトショップという業態が珍しいこともあって、15店舗前後しかありません。正確な数字はまだ報告がないのでわかりませんが、世界全体で150店舗以下ではないでしょうか。もちろんフレッドシーガルやコレットといった、有名なセレクトショップには並んでいます。」

SK8 Hi Standard Issue LX
定番のスケートHiを、ナイロンアッパーに置き換えた、2010SSモデル。基本のシルエットは変わっていないが、素材が変わるだけでスケーターシューズらしさが消えているのがユニーク。インソールはレザーを貼ったカップインソールが使われており、履き心地も上質。

2010年SSをもっとも象徴するモデル。アートディレクターとして、また商業系グラフィックデザイナーとして、世界的に活躍するLA在住のアーティスト“ドニー・ミラー”によるデザインで、スリップオンのアッパーに、オーセンティック風の騙し絵をプリントしてある。本人は「みんながよく知っている、でも初めて見るもの」を作りたかったと語っている。



Authentic LX (Nat Clash)
デッキシューズタイプの定番モデル、オーセンティックをベースに、上質な質感のレザーをアッパーに採用した2010SSモデル。光沢感の強いレザーには、ナッツクラッシュと呼ばれる独特のシワ加工が施されている。スタンダードなデザインだけに素材感の良さが引き立つ。



—日本での展開はどのように始まったのでしょうか?

「アメリカで最初のコレクションが発表されたのは2004年の春夏で、日本では2004年の秋冬からスタートしました。セレクトショップに紹介する必要があるということで、当社が取り扱うことになったのですが、最初に紹介することにしたのがバーニーズさんです。やはりファッションアイテムとして展開する以上、コーディネイトの具体的な提案が出来る、影響力のあるショップでまず扱って頂きたいと考えたんです。それでバイヤーさんに見せたところ、非常に気に入って頂けまして、幸先のいいスタートが切れました。それからはすごい勢いで伸びて行きまして、販売足数は5年ほどの間に約10倍以上に増えています。」

—バーニーズさんなどは、セレクトショップの中でもかなりハイファッションのイメージが強いですが、一方でボルトはFoot Cornerでも取り扱っています。その辺りの棲み分けについては、どうお考えですか?

「現在のバンズのお客さんていうのは、正直ちょっと年齢層が高めなんです。30代以上の人だと、バンズのことをブランドイメージを含めてよく知っているんですが、20代より下の人たちはそうでもないんですね。それで若い人たちにもバンズをよく知ってもらって、スタイルとして提案して欲しいということから、Foot Cornerさんにもご紹介しました。若い人には若い人ならではの、履き方を見つけて欲しいと思いますし、逆にバーニーズさんなんかの場合は、例えばテーラードジャケットを着て足元はバンズなんていう、大人っぽい着崩し方を提案して頂けたらいいなと思っています。」

—当初に比べて販売足数が大きく増えたとのことですが、今後のボルトはどうなっていくのでしょうか?

「ボルトに関しては店舗の数を減らしたこともあって、今年は販売足数を減らすと思います。もともとバンズ自体のブランディングを考えて始まったプロジェクトですので、売り上げの伸びは重要ではありませんし、それよりもイメージの方が大切です。ファッション業界は浮き沈みが激しいですが、そういった中でも極端に売れたり、逆に売れなくなることのないよう、地道にブランドを育てていきたいですね。個人的には現在のペースを最低でもあと10年、保っていければ良いなと思っています。」

—ありがとうございました。今後も刺激的なコレクションが数多く発表されることを、期待しています。


青木繁明
(有)ブルーウッド代表取締役

日本におけるVANS VAULTの販売代理店であり、様々なブランドの卸売を手がけるブルーウッド社の創業者社長。社名はもちろんご本人の名字にちなんだものである。サーフィンをこよなく愛する45歳O型。

(左)芥川貴之志
Takatoshi Akutagawa aka AKU
ファッションディレクター Footcornermag.編集長
1990年代よりスニーカーコレクションを始め、エディター、スタイリストとして活動する傍ら、スニーカーメーカー各社のプロジェクトに参画。「Foot Corner」のプロデューサーであり、当Webマガジンの編集長も務める。