COLUMN
21世紀の化粧を施した70年前のシューズ
Vanquish x Converse SKIDGRIP VQ
コラム|ヴァンキッシュ x コンバース スキッドグリップ VQ
TEXT+PHOTO :: TAKATOSHI AKUTAGAWA
アディダスとのコラボレーションで話題を振りまいてきた、Vanquishの新しいパートナーはコンバース。それも定番のオールスターではなく、あえてスキッドグリップというところが、意表をついた展開だ。Vanquishブランドを牽引する石川涼氏は、長年に渡るコンバースファン。中でもオールスターの熱烈な愛好家でもあるので、コンバースといえば当然オールスターと思われたのだが、石川氏の意向でベースモデルをスキッドグリップに決定したということだ。様々なブランドでやり尽くされて、食傷気味な感のあるオールスターだけに、スキッドグリップというモデル選びは新鮮。Vanquishならではのアレンジも、スキッドグリップだからこその意外性で、スタイリッシュにまとまったと言えるだろう。同じアレンジをオールスターに加えても、ここまで新鮮には映らないのではないか。スキッドグリップは1940年代に発売された、テニス用のシューズだ。現在ではいわゆるデッキシューズに分別されており、スペリー・トップサイダーなどと同じヨット用シューズと考えられているが、本来はテニス用なのだとか。実際初期のモデルはアウトソールのパターンが異なっており、クレーコートでも使用出来るような仕様になっていた。しかし現在も販売されているスキッドグリップのアウトソールは、細かいヒダ状のアウトソールになっており、これは明らかに濡れた場所での使用を想定したもの。これは推測に過ぎないが、トップサイダーなどの成功を受けて、スキッドグリップはいつの頃からかデッキシューズ(あるいは兼用シューズ)へとシフトチェンジしたのではないだろうか。いずれにせよオールスターよりは若いとはいえ、70年にも及ぶ長い歴史を持った、コンバースを代表するクラシックモデルである。
長い歴史を歩みながらも、ほとんど変わらないスタイルをキープしてきたのは、多くのコンバースシューズと共通するところ。しかし最近のコンバースは、オーセンティックな外観を維持しつつも、目に見えない部分に工夫を凝らして、より快適に履けるよう進化させているのが特徴だ。それはこのスキッドグリップとて例外ではなく、フットベッドは取り外し式の現代的なカップソールに変更されている。こうしたインソールが使われていることは意外と重要で、もちろんそのまま履いても履き心地は良いのだけれど、例えばコンバース・アディクトの衝撃吸収素材を使ったインソールに変えれば、また違った履き心地が得られるし、ナイキのズームエアソールとリプレイスすれば、簡易エアシューズにすることだって出来る。また市販のオーダーメイドインソールを入れることだって出来るし、インソールの厚みを変えれば足型の微調整さえ出来てしまう。もっともその場合は、この特徴的なヒョウ柄のインソールを諦めなければいけないけれど……。
スムースレザーのキルティング、パテントレザー、スエードと、異なるブラックを組み合わせた精悍なカラーリングに、コーンスタッズの飾りというのはVanquishらしいアレンジ。スタッズを引き立てるべく、ヒドゥンシューレースになっているところも技ありと言えるだろう。そしてアウトソールはクリスチャン・ルブタンを彷彿とさせる赤。70年の時を経て、最新スペックとトレンドで生まれ変わったスキッドグリップ、筆者は直感的に欲しい!と思ったけれど、諸兄はどうだろう?
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