COLUMN
スタイリッシュな防水”風”シューズ
NIKE ACG WOODSIDE
コラム|ナイキ ACG ウッドサイド
TEXT+PHOTO :: TAKATOSHI AKUTAGAWA
数年前から突然人気が出てきたダックブーツ。ナイキも遅れてなるものかとばかりに、このウッドサイドを送り出してきた。ダックブーツというのは、ラバーの一体成型されたフット部に、レザーのアンクル部が縫い付けられたブーツのこと。このスタイルの元祖はL.L.ビーンのハンティングブーツであり、もともとは防水性と通気性を両立するために考えだされたもの。今から100年以上も前のテクノロジーであり、ゴアテックスなどが存在する今となっては機能的にはあまり見るべきものが無いスタイルだけれど、その独特のアジのある風貌は依然として人気があり、L.L.ビーンでも定番シューズとしてラインナップし続けている。ちなみにダックブーツと呼ばれるようになった由来は、ガチョウが体から出た脂を毛に塗ってウォータープルーフにすることから。決して見た目が似ているからではないのだ。同じようなスタイルのシューズとしては、カナダで生まれたソレルがあげられる。ソレルはビーンブーツをベースに、寒冷な気候のカナダで使えるよう、断熱材で出来たインナーブーツを組み合わせる二重構造に発展改良させたものと言えるだろう。北米ではハリウッドセレブを中心に、冬にソレルを履くのが最近流行っているようで、このウッドサイドはまさにそうした流れを受けて企画されたものと思われる。
ソレルの代表モデル「カリブ」などは、防水性も断熱性も高くとても機能的なブーツだが、そのゴツすぎる構造から決して快適な履き心地とは言えない。雪に閉ざされた極寒の地ならいざしらず、街で履くにはちょっと無理があるといったところ。しかしこのウッドサイドは、”ソレル的”なスタイルでありながらとてもスマート。ナイキの一般的なトレッキングシューズと同じくらいのボリューム感と履き心地だから、街で履くのもまったく問題ナシというわけだ。
実はこのモデル、2010年のFWで発売されたのだが、何故かこの時は日本には入ってこなかった。僕はまさにこんなシューズを待っていた!という感じで並行輸入で入ってきたものを購入。この写真に写っているのがそれで、カラーリングもまさにソレル的なのだが、2011年になってようやくナイキジャパンが販売するようになったものは、もうこのカラーでは無くなっていた。恐らくウッドサイドのようなシューズは日本が一番ニーズがあるはずで、どうしてこういう良いモノを最初から紹介しないのか?と正直疑問に思ったりもするのだが……。
疑問と言えばこのシューズのスペック自体にも疑問が残る。まずこのシューズはダックブーツの外観を持ちながら、防水ではないのだ。ミッドソールのサイドにステッチがあるので、きっと防水ではないだろうと思っていたけれど、試しに雪の中を歩いてみたところ5分と経たずに中に水が染みてきた。そこで僕はすぐにソレルに履き替えたのだが、良く似た2つのシューズを持ってきて履き替えていることの馬鹿馬鹿しさに、我ながら呆れてしまった。
つまりこのシューズ、実体はファッションシューズなのだ。にも関わらず、ヒールにはACGロゴ。とてもオールコンディションで使えるとは思えないが、アウトドア的だからACGなのだろう。そしてヒールには筆記体のnikeロゴ。あれ?ACGロゴとNIKEロゴが並ぶのはタブーだったのでは……?と、色々疑問に思ったりするわけなのだが、僕自身は単純にデザイン的にこのシューズを気に入っている。まぁ、かっこ良けりゃそれでいいじゃないかと。多分デザイナーもそんな感じなのだろう。しかし世界のトップブランドであるナイキのデザイナーが、本当にそういうスタンスでモノ作りをしていて良いのか?という疑問だけは残るのである。
![]() ACG LOGO |
![]() MID SOLE |
![]() SOREL BOOTS |














