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Converse Addict

COLUMN

紺碧のエナメルオールスター

CONVERSE ADDICT CHUCK TAYLOR ENAMEL HI

コラム|コンバース アディクト チャックテイラー エナメル HI

TEXT+PHOTO :: TAKATOSHI AKUTAGAWA



青という色には、人の心を惹きつける何かがあると思う。地球を包み込む大気を湛えた空も、我々の渇きを癒す水を湛えた海も、その色は青であるし、ジーンズを誰もが愛するのも、その色が藍色だからなんだと思う。この上品なエナメルレザーで作られたオールスターも、とても深い青色をしている。深く濃い、紺碧という表現がよく似合う青。

CONVERSE ADDICTというシリーズは、オールスター好きによる、オールスター好きのための、ニッチなプロダクトラインのこと。コンバースオールスターという、定番中の定番を、より突き詰めて作ってみたらこうなりましたという、コンバースに内在するオールスターホリックな人たちからの提案だ。

オールスターは限りなくシンプルで、誰にでも愛され、どんなスタイルにも似合う偉大なシューズだけど、だからといってそれが完璧なシューズかというと、それはちょっと違う。基本的にプリミティブなつくりだから、湿気を逃がしたり、衝撃を吸収したりといった機能については、最新のスニーカーには遠く及ばないし、価格的にも安価な設定が定着しているから、高価なマテリアルを使うことも難しい。

しかしそういった、従来のオールスターに付きまとっていた、ある種絶対条件とも言える”しがらみ”を取り去って、自由にオールスターをデザインしたらどうなるのか。もちろんあの、ミニマリズムにあふれた姿はそのままに。そうして生まれたのが、ADDICTなんだと僕は思う。

機能性の向上については、目に見えない部分で大きく手を加えられた。NASAが開発した温度調整機能を持つ素材“アウトラスト”を、アッパーの表地と裏地の間に挟み込んだり、衝撃吸収素材“ポロン”をヒールクッションに採用したり。フットベッドはクッション性に富んだ、厚手でフルレングスのものが入れられ、履き心地が大幅に向上した。またアウトソールは、パターンこそ普通のオールスターと共通だが、イタリアのビブラム社に開発を依頼し、グリップ力と耐摩耗性に優れたものが奢られた。

逆に目に見える部分に関しては、ヴィンテージ市場で非常に人気のある、1960年代のオールスターチャックテイラーを思わせる、クラシックなキャラクターが与えられている。つま先はボリューム感を保ちながら幅をナローにした、絶妙なシルエット。ヒールには、チャックテイラー時代のクラシックパッチ。ベロの裏に名前を書くスペースが用意されているのも、チャックテイラーと同様だ。そしてシューレースや裏地の色味も、クラシカルな生成り(シューレースは2色付属)になっている。

復刻版でもない。アップデイト版でもない。新しさと古さの詰まった、密度の濃いオールスター。

そして、この青いオールスターには、最高級のエナメルレザーが使われている。まさにエナメルと呼ぶのがふさわしい、深い光沢を放つレザーは、エルメスをはじめとする、ラグジュアリーブランドにマテリアルを供給する、フランスのタンナリーズ・デュ・プイ社(Tanneries Du Puy)のもの。職人の手で丁寧に作られたエナメルレザーは、使い込むほどに風合いを増し、違った表情を見せるようになるという。

デニムがそうであるように、このシューズはともに時間を過ごし、自分だけのシューズを育んでいくという楽しみがある。その楽しみも、もしソールがノーマルなものだったとしたら、先にソールがすり減ってしまいつまらない結果になっただろう。だけどビブラムソールを装着したADDICTなら、それが出来る。見た目はごく普通を装いながら、実はそういった繊細な部分まで考え尽くして作られているという印象が、このシューズにはある。

ただ、贅を尽くして作られたことと引き換えに、このシューズは随分と高価になってしまった。中にはオールスターは安くなければ意味がない、という人もいるだろう。それは正論だと思う。でも僕らには、依然として安いオールスターを買う権利も残されている。ADDICTは新しいオプションであるに過ぎず、選択肢が多くなったことは、誰にとっても決して悪いことではないはず。安いスタンダードなオールスターが好きな人はそれを買えばいいし、それではちょっと飽き足らない人がいたら、ADDICTはいかが?ということだ。

ともあれ、僕は今このクツを履き込みたい衝動に駆られている。普通、スニーカーはあまり汚さないよう、ローテーションもまばらに、控えめに履きたいと思うのだけれど、こいつだけは違う。早く色落ちした、シワだらけの姿を見てみたいと思っている。そうして1人ずつ、中毒患者のようになってゆくんだろうな。

そういえば”ADDICT”という言葉には、”中毒”という意味もあるらしい。

Vibram
VIBRAM sole
Footbed
Footbed
Heel
Chuck Taylor label
Chuck Taylor
Fill in your name please
Ankle
Embossed patch

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